コンピュータグラフィックスという言葉は皆さん知っているでしょうし、実際に作品を目にしたこともあるでしょう。
一言でコンピュータグラフィックスといってもいろんな種類があり、目的によって利用するソフトも異なります。 場合によっては、たくさんのソフトを組み合わせて利用することもあります。
コンピュータグラフィックスを利用したアニメーション作品が、どのようにして作られるのか考えて見ましょう。
コンピュータの中の仮想空間上でキャラクター、背景、大道具、小道具などの形を作ります。 それらに色、質感などの情報を与えます。 必要な場所に配置し、光の当て具合を調整します。 見る方向を調整し、カメラで写真を撮るような手順で画像を作ります。 キャラクターなどを動かしながら、同様の処理を行い、アニメーションを作ります。
このようなコンピュータグラフィックスのことを3次元CGと呼んでいます。
書籍や雑誌、さまざまな文書の中で図形、写真、イラストなどが使われています。 これらの作成や加工を行うのが2次元CGです。
2次元CGで用いられる画像形式は大きく2つに分けられます。
1つはビットマップ形式です。
小さな画素を縦横にたくさん並べ、それぞれの画素の色を記憶することで、全体の画像を表す方法です。 ディジタルカメラの画像などがこれに当たります。
もう1つはベクトル形式です。
図形を表すのに、その位置、大きさ、形、色などを数値情報として記録する方法です。 1本の直線なら、両端の座標により表現できます。 複雑な曲線もペジェ曲線などを使って表すことができます。 この方法を使うと、正確に美しい図形を描くことができます。
この授業ではベクトル形式のグラフィックスを扱います。
ベクトル形式のデータを扱うソフトのことをドローソフトと呼ぶこともあります。 フリーのドローソフトである inkscape を利用します。