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location: 絵合わせパズル

絵合わせパズル

課題 次のような絵合わせパズルを作成しなさい.

例を見てください. 9枚の板を3×3の正方形に並べて,辺が接するところ(12個所)では描かれている絵がすべてぴったりと合うようにするパズルです.

例では7枚までは正しく並べられていますが,残りの2枚は正しくありません.すべての絵が合うようにするためには揃っている7枚も並べ直さないと無理なようです.実物を使って解いてみたところ,どの配置を調べたかメモをとりながら行えば短時間で解くことができました.

板はどれも正方形で,90度単位で回転して使うことができます.4つの辺それぞれにイラストが半分ずつ描かれていて,他の板とうまく並べるとイラストが完成します.全体ではイラストは4種類あります.

この課題での目標


良いパズルの条件

答えが1つであること

適度に難しいこと

イラストが美しいこと


VESSのパズル

このパズルは1940年代にアメリカのVESS清涼飲料会社が創案したものだと言われています.その後,ルービックキューブブームの終わった1979年から1984年にかけて,絵や配置を変えたものが100種類以上も作成されました.オリジナルのパズルは清涼飲料水のビンの蓋の絵を並べたもので解は1つでした.

後に制作されたものには絵の美しいものが多く,コレクションの対象になったものもあります.ところが中には解が6つあるものも発見され,パズル研究家から非難の声が上がったことも付け加えておきます.

市販品の調査結果をみても,イラストの配置方法には多くの種類がありました.

コンピュータを用いて解が1つになる配置がいくつあるか求めようとしてみましたが,絵の配置方法を制限しても非常にたくさんの解ががあることが分かり,まだ全部で何個あるかまでは調べていません. さらに絵の種類が4ではなく,3や5の場合も調べてみましたが,これは良いパズルにならないようです.


答えを1つにするには

解答図(9枚の板がイラストが合うように並べられた形)の形で作成する.

という手順で行えばよい.


答えがいくつあるか調べる

例では次の4つのイラストを使用しました.それぞれが上下に分割され,板の各辺に配置され,うまくつなげるともとの絵になることがわかります.

この4つの絵に左から順に1,2,3,4と番号をつけます.さらに分割したときの上半分にA,下半分にBと記号をつけ,これらを組み合わせて絵の種類を表わすことにします.したがって,手を上げているペンギンの上半身の絵は3A,後ろ向きのペンギンの下半身は4Bで表わせます.

この方法で下の板の絵を記号化すると次のようになります.

http://web.lab.hyogo-dai.ac.jp/~masahiko/vess.html (学内専用)に判定用プログラムを用意しておきました.記号化の方法さえわかれば使えるはずです.答えが1つになるものを探してください.

判定用ページはこのようになっています

判定結果は次のように表示されます。この3行の表示は絵の並べ方で異なります。

Picture count は 1A,2A,3A,4A - 1B,2B,3B,4B それぞれの個数です.

8つの数に大きな差が無いほうが良いでしょう. 例えば 1A=6 1B=2 だと 1A のうち4つは 1B とくっつけることができなく、 端にしか置けないことがわかります. 1つでも0があるものは後の処理は行われません.

Search count は 1枚の置き方,2枚の置き方,...,9枚の置き方の数です.

Easy, Difficult, Good の判定には途中の値を使っています. 5番目の値が小さい方が調べる組み合わせの数が少なく易しいパズル、 多いと難しいパズル. 解が1つで, 最後から2番目および3番目の値が 大きいと Good としています.


その他の注意

解答図の形で印刷しそれを切断してパズルの板を作成しますが,正確に切断するためには,切断位置を示すマーク(トンボと呼びます)が正しく配置されていなければなりません.

答えを切断してパズルを作成するため,切断箇所がヒントにならないよう注意が必要です.切断個所の微妙な(1ミリ以下の)ずれで板の合わせ方が見つかる可能性もあります.その点を考慮してイラストの作成と配置を行ってください.

4つの絵が区別しやすく,どれとどれが対応するのかがすぐ分かるようにイラストを描くと,遊びやすいパズルができます.


作業手順

正確に,楽に行う方法を説明しています.まず全体を読んで各手順の意味を理解してから始めましょう.

  1. イラストを4種類作成する
  2. イラストをグループ化する
  3. 正方形を描く
  4. 正方形とイラストをグループ化
  5. 部品のコピーと回転
  6. 配置
  7. トンボの記入
  8. 正方形の色を「なし」にする
  9. おまけ

イラストを4種類作成する

4つに関連があり,それぞれの識別がしやすいこと.どこで分割されるかを考えると,さらに良いものができます. 描きやすい大きさで描いてよい.大きさはあとで調整します.

イラストをグループ化する

4つのイラストをそれぞれグループ化しておきます.

正方形を描く

9枚の板の1つになる正方形を描きます。 矩形ツールでctrlを押しながら描きます。 サイズは縦横50ミリ程度にします。 塗りはなしとし,線は他で使用していない色にしておくと後の作業が楽です。

コピーを行って同じものを4つ用意しておきます.

正方形とイラストをグループ化

イラストに拡大縮小を行って適当な大きさにし,上で描いた正方形の1つの辺にイラストを配置します.上下,左右のどちらの切断方法でもかまいません.

図の点線で示した範囲に入るようにイラストを拡大縮小してから配置します.

配置できたら,正方形とイラストをグループ化します.

以上の作業を4つのイラストについてそれぞれ行います.

部品のコピーと回転

正方形とイラストをグループ化して作った部品をコピーし、回転したものを作ります。 コピー後、90度回転のボタンを押すことで簡単に作成できます。

1つのイラストにつき4つの向きの部品を作ります.

これをイラスト4種について行ない,全部で4×4=16個の部品を作っておきます.

配置

上で作った部品を解答図になるように配置します. スナップの機能を使って、正方形のカドとカドがぴったり合うように配置していきます.

全部で24個の部品が必要です.不足分はコピーして使います.

正方形のうちのいくつかはまったく重なった位置に配置されます.3×3の外側に配置されるものもあります.

トンボの記入

裁断の位置を示すマークをトンボと言います.切断する位置の両端だけに印を入れておき,その印を結ぶ位置でカッターナイフ等を使って切るわけです.

正方形のカドに合わせて水平または垂直の(細い)線を引き,矢印キーを使って板から数ミリ外側へ離しておきます.

正方形の色を「なし」にする

配置に利用した正方形の線の色を「なし」にしますが、正方形はたくさんあります。

1つの正方形を選んで、フィルストロークのストロークの塗りのタブ内でRGBAのコードを調べます。 8桁の16進数のうち左から6桁の値をメモしておきます。 編集メニューから検索ウインドウを表示し、スタイルの欄にこの値を入力し、検索を行います。

すると,配置に使用した正方形だけがすべて選択されたはずです。

この状態で,線の色を「なし」に変更します. 正方形を見えなくするだけで,削除は行わないこと.

完成図を示しておきます.

おまけ

背景に色を付けたい場合は配置に使う正方形に付けるのではなく,最後に全体を囲む長方形を描いてこれに着色し,背面に送ればよい.きれいだからといって,背景をグラデーションやパターンで塗るとそれがヒントになってパズルになりません.

判定プログラムで解の個数を確かめた人は,表示された値を,用紙の下の方(パズルの外で印刷範囲内)に書いておいてください.

完成図に示したものは良いパズルではありません.理由を考えてみてください.パズルとして解いてみればすぐわかります.