属性と条件
オブジェクトがある範囲内にあることを、どうやって判定したら良いでしょうか?
これまでは重なっているかという判定をつかってきました。
この方法では、2つのオブジェクトがちょっとでも触れていればはいとなりました。
座標を使う
位置は座標で表されているので、座標の値を使って判定ができます。
- ビューアでx座標の項目を表示し、項目名のところをつかんで引き出すとこのようになります。
- 属性値を設定するときは、矢印のところをつかんで引き出しましたが、今回はつかむところが異なります。
- このタイルは条件(テスト)の場所や、計算式の一部分に配置することができます。
例1
- x座標のタイルをテストの場所に配置し、数値を修正しました。
いぬのx座標が200より小さいときはいの右の命令(記入されていません)が行われ、
それ以外のときいいえの右の命令(記入されていません)が行われます。
- Etoysの座標はこのようになっています。
- いぬが色の付いた範囲内にあるとき、例1の条件が成り立ちます。
複数の条件
図の範囲内の条件を考えます。
- x座標が200より小さい
- y座標が300より小さい
- の2つの条件が成り立つ場合に対応します。
- テストタイルを2つ組み合わせて使います。
- 1つ目のテストに「x座標が200より小さい」という条件を書き、
1つ目のテストタイルのはいのところに2つ目のテストタイルを配置します。
- 1つ目のテストに「y座標が300より小さい」という条件を書きます。
1つ目のテストが成り立つとき、対応するはいの部分が実行されます。
- ここにもテストがあるので、さらに条件判定が行われ
- 2つ目のテストも成り立つとき、赤で示した部分に書かれた処理が行われます。
差による判定
犬と青い丸の横方向の位置(X座標)が近いという条件を考えます。
- 犬にも丸にも大きさがありますが、中心座標で判定するものとします。
- 上下位置(Y座標)は条件に含まないことにします。(上下どこでもよい)
- X座標の差が20より小さいとすると条件は
いぬのx座標 - 青い丸のx座標 < 20
いぬのx座標 - 青い丸のx座標 > -20
- の2つになります。
上の例のように2つのテストタイルを使ってもできますが、関数を使って1つの条件で書くことができます。
- 絶対値 | | を使うと1つの式に書けます。
|いぬのx座標 - 青い丸のx座標| < 20
- 絶対値をとる関数は abs( ) です。
abs(いぬのx座標 - 青い丸のx座標) < 20
- という式を作ります。
次のような手順で配置できます。
- テストタイルを配置します。
- スクリプトの道具箱から abs() を取り出し配置します。
- abs( )の中にある右向きの△をクリックします。
- 2つの数の部分に、いぬのx座標 と 青い丸のx座標 を入れます。
- 演算と数値を修正します。
条件の考え方
およそ図のような位置関係にあることを判定する場合。
- 目的の配置にしてみて、ビューアで座標を調べ差を手計算します。
- いぬのx座標 - 青い丸のx座標 = 280
- いぬのy座標 - 青い丸のy座標 = 50
- 右辺の数を移項し、右辺を0にします。
- いぬのx座標 - 青い丸のx座標 - 280 = 0
- 左辺を絶対値(abs関数)で囲みます。
- abs(いぬのx座標 - 青い丸のx座標 - 280) = 0
- 等号を不等号に変え、右辺の0を誤差に変えます。
abs(いぬのx座標 - 青い丸のx座標 - 280) < 15
- これで誤差15以内のX方向の条件ができました。
- 同様にY方向の条件も書けます。
- スクリプトでは2つのテストタイルを使うことになります。
幾何属性
ビューアで幾何のカテゴリをみると、X座標の他に
- 左端
- 右端
- 上端
- 下端
も属性値としてあるのがわかります。
これらの属性を使った方が判定が簡単な場合もあります。
他の数値で表された属性は、同様に条件判定に使えます。