== String == 文字列を扱うにはStringクラスを用います。 . 文字列は基本型(プリミティブ)ではない。 . charの配列ではない。(Cとは異なる) . Stringは変更不能なオブジェクトです。 . 文字列はオブジェクトであるが、普通のオブジェクトとは次の点で振る舞いが異なります。 . 文字列に演算が行われたときは、そのオブジェクトが修正されるのではなく、新しくオブジェクトが作られます。 文字が並んだものを文字列という。 . プログラム中で文字列は '''"''' ではさんで "Hello World" のように記述する。 . この文字列の値は '''Hello World''' であって、'''"''' は含まれない。 . '''""''' は長さ0の文字列である。空文字列という。 以下に文字列の使い方の一部を示します。 他にも多くのメソッド(関数)があります。 ---- === 連結 === 文字列の連結は演算記号 '''+''' を使って行うことが出来る。 a,b,cをStringクラスの変数とし {{{ a = "Hello"; b = "World"; c = a + b; }}} を行うと、c の値は '''Hello''''''World''' になる。 基本型(プリミティブ)を文字列に連結すると、値に対応する文字列に変換してから連結される。 kがint型、xがdouble型、pがboolean型、sがStringクラスの変数のとき {{{ k = 103; x = 5.789; p = true; s = "kotae" + k + x + p; }}} を行うと、s は '''kotae1035.789true''' になる。 この機能は結果を表示するのにしばしば利用されます。 System.out.println には1つの引数しか書けないので、このような使い方をします。 {{{ System.out.println("k=" + k + ", x=" + x + ", p=" + p); }}} 数値を文字列に変換するには、空文字列と連結すればよい。 xがdouble、sがStringのときの例を示す。 {{{ x = 3.14; s = "" + x; }}} ---- === 文字列の比較 === 2つの文字列が等しいかどうかを調べるには equals メソッドを使います。 2つのString型変数 a, b が、文字列として等しいかを判定する論理式は次のように書きます。 {{{ a.equals(b) }}} 変数 a の値が文字列 "Hello" と等しいか比較する場合はこのように書きます。 {{{ a.equals("Hello") }}} ---- === 例 === 文字列の連結と比較を行うプログラム {{{#!java public class MojiHikaku { public static void main (String[] args) { String a, b, c; a = "Hello"; b = a + "World"; c = "HelloWorld"; System.out.println( a ); System.out.println( b ); System.out.println( c ); if( b == c ) System.out.println( "equal" ); else System.out.println( "not equal" ); if( b.equals(c) ) System.out.println( "equal" ); else System.out.println( "not equal" ); } } }}} Stringはプリミティブ(基本型)ではないので、値は変数とは別の場所にとられます。<
> 変数a,b,cへの代入では、対応する箱には文字列の値があるアドレスが代入されます。<
> 3つの代入文が実行された後の状態はこのようになります。 {{attachment:string2.png}} 10行目のif文では条件として b == c の論理式を用いています。 プリミティブの比較はこれで行いますが…… . == は変数の箱に入っている値を比較します。 . 変数bとcの箱には文字列のあるアドレスが入っています。 . 上の図の状態であると考えると、bとcの箱の中の値は異なるので not equal と表示されます。 14行目のif文では equalsメソッドを使って判定しているので、 文字列の値が比較され equal となります。 実行結果 {{attachment:string1.png}} ---- === 文字列の長さ === 文字列の長さを求めるには length メソッドを使います。 書き方 {{{ 文字列.length() }}} '''例1''' {{{ s = "Hello"; System.out.println( s.length() ); }}} 変数sに代入された文字列"Hello"の長さを求めそれを表示します。 5と表示されます。 '''例2''' {{{ i = "HelloWorld".length(); }}} 文字列に対して直接lengthを行うこともできます。 iには10が代入されます。 '''例3''' {{{ s = "日本語の文字列"; i = s.length(); }}} 漢字などでも文字数を正しく求められます。 iの値は7になります。 ---- === 部分文字列 === 文字列からその一部分を取り出すには substring メソッドを使います。 substringメソッドも文字列の後ろに .substring(0,3) のような形でつけて使います。 引数を2つとり、1番目は取り出す最初の位置、2番目は取り出す最後の文字の次の位置です。 {{{ s = "ABCDEFG"; System.out.println( s.substring(2,5) ); }}} を行うと '''CDE''' と表示される。 ---- === 部分の文字 === 文字列を構成する1文字を取り出すには indexOf メソッドを使います。 {{{ String s; char c; s = "ABCDEFG"; c = s.indexOf(3); }}} とすると、cには文字Dが入ります。 ---- === 数値への変換 === 文字列 s をintに変換しint型の変数 i に代入するにはこのように書きます。 {{{ s = "1230"; i = Integer.parseInt( s ); }}} 文字列 s をdoubleに変換しdouble型の変数 d に代入するにはこのように書きます。 {{{ s = "2.17"; d = Double.parseDouble( s ); }}}