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2010-02-19 02:48:40時点のリビジョン2
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編集者: masahiko
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=== 関数を定義し、利用する ===

代入文、print文をプログラムファイル内に直接記述し、loadを行うと先頭行から順に実行されました。
また、functionを用いて関数の定義を行ったときには、 loadの後、関数を呼び出して計算させることができました。

両方をあわせて行うときには、次のような書き方になります。
 . {{attachment:menseki10c.png}}
2つの図形それぞれの面積と合計を求めるプログラムです。
2つの図形は似ているので1つの関数で計算しています。
 {{{#!java
 /*
 家の形2つの面積とその和を求める
 作成者:田中正彦
 作成日:2007-6-6
 */
 
 function menseki ( yoko ) {
     takasa = Math.sqrt( 5*5 - (yoko/2)*(yoko/2) );
     sankaku = yoko * takasa / 2;
     sikaku = yoko * 3;
     wa = sankaku + sikaku;
     return wa;
 }
 
 dai = menseki(8);
 syo = menseki(5);
 wa = dai+syo;
 print(' 大', dai);
 print(' 小', syo);
 print(' 合計', wa);
 }}}
プログラムの先頭にはコメントをつけています。
いつも書くように心がけましょう。

次に関数の定義を書きます。
関数の名前はmensekiで、引数にはyokoと名前をつけています。

最後に関数を利用した計算などの処理を書きます。
引数を8として面積を計算した結果をdaiに、引数が5のときの結果をsyoに代入しています。
daiとsyoの和を求め、それらをprintしています。

----
=== 実行順序 ===

このプログラムをloadしたときにどの順に実行されるか追いかけてみます。
先頭行から順に処理されることに変わりはありません。

(1)の部分はコメントですから、この部分では何も行われません。<<BR>>
(2)の部分では関数の定義だけが行われます。本体部分はまだ実行されません。<<BR>>
(3)の部分は順に実行されます。
 . {{attachment:kansuu3.png}}
したがって、最初に実行されるのは(3)の先頭である15行目の
 . dai = menseki(8);
になります。

ここで関数mensekiが呼び出され、引数の値8が引数の名前yokoと対応づけられます。(yokoの値が8になる)。そして、関数の本体部分が実行されます。
8行目から11行目の代入文が実行され、waの値は32になります。12行目のreturn文でこの値が関数の値として返され、関数本体の実行が終わります。
その結果、menseki(8)の値が32と求まり、値がdaiに代入されます。

次の16行目でも、関数 mensekiが呼び出されます。
今度は引数の値が5ですから、yokoの値を5として本体部分が実行されます。

17行目の代入文、18行目から20行目のprint文がこの順に実行されることはわかりますね。

実行順序を矢印で表すと次のようになります。
 . {{attachment:kansuu4.png}}

関数を作る

同じような問題が沢山ある場合を考えます。

面積を求める問題です。 A,B,C,Dの4つの問題があります。

  • menseki10.png

横幅(底辺の長さ)が異なるだけで、他は同じ問題です。

Aの面積は次のようにして求めることができます。

  •  takasa = Math.sqrt( 5*5 - 2*2 );
     sankaku = 4 * takasa / 2;
     sikaku = 4 * 3;
     wa = sankaku + sikaku;

1行目では、三平方の定理を使って三角形の高さを求めています。
2行目で三角形の面積を、3行目で四角形の面積を求め、
4行目でそれを合計して全体の面積を求めています。

この後に結果を表示する命令

  •  print( '面積', wa );

を加えればプログラムができます。

次に、Bの問題を解こうとすると、プログラムに変更が必要です。 上のプログラムで 2 や 4 となっている箇所がそうです。

数を直接書かずに、いちど名前をつけてから使うようにすれば、修正は1箇所で済みます。

  •    1  yoko = 4;
       2  takasa = Math.sqrt( 5*5 - (yoko/2)*(yoko/2) );
       3  sankaku = yoko * takasa / 2;
       4  sikaku = yoko * 3;
       5  wa = sankaku + sikaku;
       6  print( '面積', wa );
    


関数を考える

関数はなにか引数(ひきすう)を与えて呼び出すと、答となる値を返してくれるものです。 例えば、Math.sqrt は、数値を与えるとその平方根を返す関数でした。

  •  js> Math.sqrt(2)
     1.41421356

上の問題では、横幅を与えて呼び出すと、面積を返してくれる関数があれば

js> menseki(4)

と入力することで答を得ることができます。

システムに最初から用意されている関数は sqrtやsinのような一般的なものだけです。 それ以外の関数は用意されていません。

でも、自分で関数を定義することができます。 必要な関数は自分でプログラムしてやればよいのです。


関数の定義

関数を定義するには次のように書きます。

  •  function menseki ( yoko ) {
         ...
         return kotae;
     }

function や ( ) { } はその通りに書きます。

menseki とある部分は関数名になります。あとでこの名前で呼び出して使います。 yoko とある部分は引数につけられる名前です。

その後ろに { があり、何行かの文が続き、 } で終わります。 { から } までの部分を関数の本体と呼びます。

... の部分には、答を計算するための代入文などを書きます。 この部分は何行になってもかまいません。

最後に、値を返すために return文を書きます。 kotaeの部分には返す値を書きます。

全体の構文は次のようになります。 本体部分は文をいくつか並べて大括弧で囲った形です。

  • kansuu1.png

return文の構文はこのようになります。

  • kansuu2.png


関数の動作

上の問題での面積を求める関数はこのように書けます。

  •    1  function menseki ( yoko ) {
       2      takasa = Math.sqrt( 5*5 - (yoko/2)*(yoko/2) );
       3      sankaku = yoko * takasa / 2;
       4      sikaku = yoko * 3;
       5      wa = sankaku + sikaku;
       6      return wa;
       7  }
    

本体部分は tab を使って右にずらして記述しています。 間違いを少なくするために、このように書くように心がけましょう。

本体部分は、次の図形の面積を求める計算になっています。 値の決まっていない yoko は関数の引数に対応しています。

  • menseki10b.png

このプログラムをエディタで入力し、ファイル名を sample.js として保存したとします。

  •  js> load('sample.js')

を行うとこのプログラムが読み込まれます。 プログラムが(文法的に)正しく記述されているときには、loadに対する反応はありません。

  • rhino8.png

プログラムに文法的な間違いが見つかったときだけ、エラーメッセージが表示されます。

文法的な誤りが無ければ、プログラムが読み込まれ、関数が定義されます。 関数が定義された後では、関数を使うことができます。

  •  js> menseki(4)

として関数 menseki が呼び出されると、

  • 1)引数として与えられた値 4 に、引数の名前である yoko と名前がつけられます。
  • 2)本体部分に書かれた文が順に実行されます。
  • 3)return文により、wa の値が関数 menseki の値として返されます。

の順に行われその結果、横幅が4のときの面積が求まります。

  •  js> load('sample.js')
     js> menseki(4)
     21.165151389911678
     js> menseki(8)
     36
     js> menseki(2)
     10.898979485566356
     js> menseki(9)
     36.807522622966516

一度loadを行って正しく定義が行われたあとでは、続けて何度も利用することができます。


関数を定義し、利用する

代入文、print文をプログラムファイル内に直接記述し、loadを行うと先頭行から順に実行されました。 また、functionを用いて関数の定義を行ったときには、 loadの後、関数を呼び出して計算させることができました。

両方をあわせて行うときには、次のような書き方になります。

  • menseki10c.png

2つの図形それぞれの面積と合計を求めるプログラムです。 2つの図形は似ているので1つの関数で計算しています。

  •    1  /*
       2  家の形2つの面積とその和を求める
       3  作成者:田中正彦
       4  作成日:2007-6-6
       5  */
       6  
       7  function menseki ( yoko ) {
       8      takasa = Math.sqrt( 5*5 - (yoko/2)*(yoko/2) );
       9      sankaku = yoko * takasa / 2;
      10      sikaku = yoko * 3;
      11      wa = sankaku + sikaku;
      12      return wa;
      13  }
      14  
      15  dai = menseki(8);
      16  syo = menseki(5);
      17  wa = dai+syo;
      18  print(' ', dai);
      19  print(' ', syo);
      20  print(' 合計', wa);
    

プログラムの先頭にはコメントをつけています。 いつも書くように心がけましょう。

次に関数の定義を書きます。 関数の名前はmensekiで、引数にはyokoと名前をつけています。

最後に関数を利用した計算などの処理を書きます。 引数を8として面積を計算した結果をdaiに、引数が5のときの結果をsyoに代入しています。 daiとsyoの和を求め、それらをprintしています。


実行順序

このプログラムをloadしたときにどの順に実行されるか追いかけてみます。 先頭行から順に処理されることに変わりはありません。

(1)の部分はコメントですから、この部分では何も行われません。
(2)の部分では関数の定義だけが行われます。本体部分はまだ実行されません。
(3)の部分は順に実行されます。

  • kansuu3.png

したがって、最初に実行されるのは(3)の先頭である15行目の

  • dai = menseki(8);

になります。

ここで関数mensekiが呼び出され、引数の値8が引数の名前yokoと対応づけられます。(yokoの値が8になる)。そして、関数の本体部分が実行されます。 8行目から11行目の代入文が実行され、waの値は32になります。12行目のreturn文でこの値が関数の値として返され、関数本体の実行が終わります。 その結果、menseki(8)の値が32と求まり、値がdaiに代入されます。

次の16行目でも、関数 mensekiが呼び出されます。 今度は引数の値が5ですから、yokoの値を5として本体部分が実行されます。

17行目の代入文、18行目から20行目のprint文がこの順に実行されることはわかりますね。

実行順序を矢印で表すと次のようになります。

  • kansuu4.png

関数の定義と利用 (最終更新日時 2011-12-19 07:31:02 更新者 masahiko)