テクスチャの作成と指定

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演習

先週作成した「生きもの」に着色しましょう。
前回保存しておいたファイルを開いて始めます。
データファイルをダブルクリックしても開けません。
Art of Illusion のファイルメニューから開いてください。
次回、カメラやライトの位置調整などを行って作品1の完成です。
できるだけ良い作品ができるよう準備しておくこと。

レイトレーシング

物体のデータから計算によって画像をつくる(レンダリング)と説明しました。
レンダリングは光がどのように進むかを計算することで行います。光線追跡法(レイトレーシング)という計算方法です。
物体に光が当たったときの進み方は、図のように模式化されます。

鏡のような物体のときには、入射角と反射角が等しい角度で反射します。これを鏡面反射といいます。
水やガラスなど透明な物体に当たったときには、その中を通って進みます。これを透過といいます。
鏡やガラスであっても、入ってきた光がすべて反射されるわけではなく、すべてが透過するわけでもありません。もし100%透過の物体があれば、その物体は見ることができないでしょう。
一般には、入ってきた光は鏡面反射、透過と拡散反射に分かれます。
拡散反射は物体の表面からいろいろな方向に拡散するもので、物体の色は拡散反射で決まります。

テクスチャ

物体表面の色、つや、反射、ざらつき、凹凸などを合わせてテクスチャといいます。
物体にテクスチャを指定するには、1)テクスチャの作成を行い、その後で2)物体に対応させます。
パレット上に色を作り、まとめて塗る要領です。
物体にテクスチャを指定の後、色などを変更することもできます。

テクスチャの作成

今回は色と光沢だけを指定した基本的なテクスチャを作ります。

1) テクスチャを作成するには「シーン」メニューの「テクスチャ...」を使います。
シーンメニュー内に「材質」というメニューもありますが、これは物体の内部の状態を指定するものです。表面の状態は「テクスチャ」です。

new) Art of Illusion のバージョン2.4以降では画面右下のプロパティから選択できるようになりました。
物体を選択すると画面右下にプロパティの表示が現れます。
テクスチャのすぐ下の▽をクリックして「新規テクスチャ」を選びます。選んだら(4)に進みます。

2) 「シーン」メニューから「テクスチャ」を選ぶと次のようなウインドウが開きます。
テクスチャの作成や削除、編集(修正)などを行うためのものです。

3)新しいテクスチャを作るために「新規...」をクリックします。

作業を繰り返して、必要な色をいくつか作成してください。
4)新しいテクスチャの名前とタイプを入力するウインドウが現れます。

名前を入力します。あとで使うためにわかりやすい名前をつけましょう。
タイプの欄はUniformのままで良い。

「OK」をクリックします。

色と光沢

テクスチャを作成するためのウインドウが開きます。
今回はオレンジ色で示した2箇所だけを使います。 他の項目は変更しないでください。

「拡散反射色」
物体の色はここで指定します。 文字の右の四角の部分をクリックすると 色を作るためのウインドウが開きます。

「光沢」
数値を変えると光具合が変わります。 光が当たっている部分とそうでない部分での差を見てください。

できたらOKをクリックしてこのウインドウを閉じます。

同様にして名前を変えながら、使う色を全部作ります。
作った色を修正したいときはテクスチャウインドウで、 テクスチャの名前をダブルクリックします。
作り終わったら「閉じる」をクリックしてテクスチャウインドウを閉じます。

カラーモデル

色を表わす方法 ( Color Model ) は3種類用意されています。
使いやすいカラーモデルを選んで色を作成します。

RGB

赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色で表わす方法です。

値を大きくするほど明るくなります。
3つとも0にすると黒、3つとも1にすると白です。

HSV

色相・彩度・強度で表わす方法です。

色相は赤橙黄緑青紫の虹色の順に並んでいます。
彩度は色の鮮やかさで、0にすると無彩色(白、黒、灰色)になります。
強度は色の強さで、0にすると黒、大きくすると色味が付きます。
強度を1、彩度を0にすると白。

HLS

色相・明度・彩度で表わす方法です。

HSVと似ていますが、値の並び方と、明度と強度が異なります。
HSVの強度は最大にすると色味がいちばん強くなりますが、
HLSの明度は最大にすると白になります。

物体にテクスチャを指定

テクスチャを指定

物体に色をつけるには、テクスチャを指定する作業をそれぞれの物体について行います。

1)物体を選択します。
選択するには選択・移動ツールを用いてビュー内でクリックするか、オブジェクトリストの対応する名前をクリックします。

2)選択した状態で次のa〜dのいずれかを行います。
a) 「オブジェクト」メニューより「テクスチャを指定...」 を選びます。
b) ビュー内の対応する物体の上で右クリックし「テクスチャを指定...」 を選びます。
c) オブジェクトリストの対応する名前の上で右クリックし「テクスチャを指定...」 を選びます。
d) 右下に現れるプロパティの中のテクスチャの▽をクリックし、テクスチャを選びます。(バージョン2.4以降のみ)

d)以外の方法のときは続けて3)を行います。

3)「オブジェクトのテクスチャ」ウインドウに作っておいたテクスチャの名前が表示されるので、選んでOKをクリックします。
この画面で新規テクスチャ...をクリックして新しいテクスチャを作成することもできます。

テクスチャの指定ができれば、およその色はビューで確認できます。しかし 光り具合などはビューではわかりません。明るさやつやなどは光線の具合で変わってきます。レンダリングしてみれば分ります。
レンダリングを行ってみてから再調整するとよいでしょう。 の作業をそれぞれの物体について行います。

確認

「シーン」メニューより「すぐにレンダー」を選ぶと画像が表示されます。
およその色は編集用のウインドウでわかりますが、 光り具合などはレンダリングしてみないとわかりません。

カメラやライトを削除してしまった人は画像が表示されません。

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