メッシュモデリング

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メッシュ形状

これまでの方法では作りにくい形がありました。
例えば右の絵の「耳」「手」「くつ」などです。

これらはメッシュを使って作ってあります。
メッシュは三角形の集まりでできています。
小さな三角形を組み合わせていけばどんな形でも作ることができます。

形状の種類

Art of Illusion で扱う形状には次の4種類があります。
線 ( line ) レンダリングしても見えません。
面 ( face ) 表面だけの立体です。
回転体、押し出しなどの形状がこれにあたります。
固形 ( solid ) 中身までつまった立体です。
立方体などの基本形状がこれにあたります。
三角形の集まり
( polygon )
小さな面の集まりでできた立体です。
polygon を triangle mesh と言うこともあり、 ここでは略して「メッシュ」と呼んでいます。

メッシュの作成

メッシュは直接作ることはできません。
面、または固形の部品を「メッシュに変換」することで作成します。

あらかじめおよその形をこれまでの方法で作っておくか、 簡単な形状から変換するのがよい。

今回はもっとも簡単な形からメッシュを作成し、 その編集方法を学びます。

基本図形の直方体を1つ作成し、これをメッシュに変換します。
変換は、選択した状態で、 「オブジェクト」メニューの「メッシュに変換」で行います。
変換しますか? と聞いてくるのでOKをクリックします。

もとの形状によっては変換時の細かさをどうするか聞いてきます。
直方体を変換する場合は、この質問はありません。

メッシュの編集

編集したい部品をビューまたはオブジェクトリストで ダブルクリックします。 図のような編集画面が開きます。
三角形の集まりになっているのがわかります。

ウインドウ左にツールが並んでいます。
上から順に、 「移動」、「拡大縮小」、「回転」、 「傾斜」、「尖らせる」、「内または外へ移動」、 「押し出す」、 「点を追加」、「骨」、「視点移動」、「視点回転」です。

9番目の骨はアニメーションのための機能で、 形状作成には使いません。
視点の移動、回転は通常と同じです。

編集を終わるにはウインドウ下部の「OK」または「キャンセル」 をクリックします。

移動

ウインドウ左下に[Point] [Edge] [Face] の切り替えボタンがあります。 「点」「辺」「面」のどれで作業するかを指定するものです。

辺を選択しての移動、面を選択しての移動と同じことを、 複数の点を選択することで点の移動で行えます。

移動ツールは選択ツールを兼ねています。
点(point) 辺(edge) 面(face)

拡大縮小・回転

移動(選択)ツールで選択した状態で、 拡大縮小ツールでドラッグすると、選択した部分が拡大縮小されます。
回転も同様です。
拡大縮小や回転は複数の点を選択したときしか効果がありません。
1つの辺、1つの面に対しては可能です。 辺や面は2つ以上の点で構成されているからです。 いくつもの辺や面に対して行うこともできます。

傾斜・尖らせる

これらも複数の点、または辺や面を選択したときしか効果がありません。
移動と拡大縮小とを組み合わせたような変形が行われます。
方向を制限した変形と考えた方が分かりやすいでしょう。
あまり利用しません。

内または外へ移動

これも複数の点、または辺や面を選択したときしか効果がありません。
選択した部分を物体の外側へふくらませたり、 内側へへこませたりします。 外側へ移動するときには同時に拡大し、 内側へ移動するときには同時に縮小します。
ドラッグ方向と移動の向きは一致しません。
上へドラッグすると外側への移動 下へドラッグすると内側への移動になります。

メッシュを構成する点を増やす

メッシュを構成する点を移動することで 形の編集が行えることを前回学びました。
そこで、より複雑な形を作るためには、 多くの頂点が必要だということもわかりました。
だからといって、点をどんどん増やしてしまうと、 編集も大変になってきます。 さらに、レンダリングにかかる時間も増えることになります。

「直方体」をメッシュに変換したものを例に示しましたが、 他の立体をメッシュに変換して編集することもできます。 この場合には、変換時に「メッシュの粗さ」を指定するための ウインドウが表示されます。 許容範囲の値を小さくすると点の数は増え、大きくすると少なくなります。 また、形が同じで、許容範囲の値が同じでも、 物体の大きさによっても、変換後の点の数は違ってきます。
一度メッシュに変換して編集した物体であっても、 平滑方法を「補間」や「近似」にした後、 もう一度「メッシュに変換」を行うと点の数が大きく増えてしまいます。
必要以上に点の数を増やさないように注意しましょう。

以下では、メッシュの頂点を増やす方法を2つ説明します。
作業は、平滑方法を「なし」にして行ってください。
「補間」や「近似」にしておいても作業はできますが、 「なし」にしておくのが分かりやすい。 必要なら、点を増やした後で滑らかにすればよい。

メッシュの押し出し

面の押し出し方を説明します。
作業単位を「Face」にし、選択ツール で押し出したい面を選択します。
押し出しツール に変更し、ドラッグすることで押し出します。
ドラッグ方向は、上下方向が押し出す量、 左右方向が押し出しの傾斜の調整です。
押し出す方向とドラッグ方向は違います。

2つ以上の隣り合う面を押し出すとき、一緒に行うか、別々に行うかを オプションで指定できます。オプションは 押し出しツールをダブルクリックすると表示されます。

点や辺での押し出しも同様に行えます。 どのように押し出されるかわかりにくいので 面での押し出しに慣れてから使ってください。

メッシュの分割

形はそのままで、メッシュを構成する三角形を分割し 頂点を追加するには分割ツール を使います。
「辺」または「面」を分割して、その場所に点を追加するものです。 このツールを使うときは、選択の必要はありません。 「辺」と「面」の違い に注意して使ってください。

「辺(Edge)」の場合、分割したい辺上でクリックします。
クリックした位置(赤丸)に点が追加され、 青色で示した2本の辺も追加されます。

「面(Face)」の場合、分割したい三角形の内側でクリックします。
クリックした位置(赤丸)に点が追加され、 青色で示した3本の辺も追加されます。

補足

メッシュ編集のメニューで便利なものをいくつか紹介します。
編集→選択範囲を広げる 選択されている点の隣の点を選択範囲に加えます。
編集→影響 点を移動するときその隣の点もつられて移動させることができます。
いくつ隣まで影響するかを数値で指定して使います。
画面→表示方法 透明のほかに滑らかなど不透明な表示も選べます。
画面→表示 シーン全体を表示させると便利なこともあります。
画面→座標系 個別か全体か使い分けてください。
画面→下絵を表示 画像を用意してその絵を見ながら編集するのに使います。

形を滑らかにする方法

なめらかな面を作る簡単な方法があります。
「メッシュ」メニューの「平滑方法」を見てください。 次の中から選択できます。

「なし」 三角形のまま。
「補間」 頂点位置はそのままで滑らかな曲面にします。
「近似」 さらに滑らかにします、頂点を通らない曲面になります。
これをうまく使うと少ない点の数できれいな形を作ることができます。
下図は立方体をメッシュ化したものの点を移動するだけで作った例です。
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